デイリーレポート(2022年5月27日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日も本文のみとなります。

ドル円は欧州市場序盤に黒田日銀総裁が衆議院予算委員会で出口戦略について「金融市場の安定を確保しながら適切に遂行するのは十分可能」と出口戦略について言及したこと、また米国の利上げで「どんどん円安になるということではない」とも発言したことで円高に振れ一時126.55レベルの安値をつけました。NY市場では堅調な株式市場の動きとともに買い戻しという従来型のリスクオフの巻き返しといった動きとなり、下げる前の水準に戻して引けました。

ユーロドルはECBが7〜9月期にゼロ金利へと正常化することが確実視されることが依然として買い材料となっていました。NY後場には1.0732レベルまで上昇しましたが週間高値更新とはなりませんでした。

ドル円は大規模緩和のみしか発言しなかった黒田日銀総裁の発言に若干の驚きがありましたが、委員会での質問に答えた中での文脈であることかあら、日がすぐに出口戦略を考えるわけでは無いという点には注意すべきで、公式発言は依然として大規模緩和ということになるでしょう。水準的には127円近辺というどちらにも動きうる水準ですが、テクニカルには中期的に125円を目指す可能性もあり、短期的には戻り売りの方がワークしそうです。

ユーロドルはECB関係者のタカ派発言に影響を受けていますが、前から書いている通り米独金利差は7〜9月期に向けてまだ拡大する方向であることを考えるとユーロが一方向で強くなることもないでしょう。ただ、長期的にユーロ安が続いていたため、ユーロ買い材料に飛びつきやすいといった展開です。週間高値を更新した後は週末前の調整が入りやすそうです。

本日はドル円は戻り売り、ユーロドルは上がった後の下げをイメージし以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  126.50〜127.35
 ユーロ  1.0665〜1.0765
 ユーロ円 135.75〜136.75



配信日:2022年5月27日