デイリーレポート(2022年5月26日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

*ファンダメンタル
日米金利差を考えると長期的なドル高トレンドに変化は無いものの1月安値113.47から5月高値131.35まで調整らしい調整も無いままに18円近い円安相場が続いてきました。

ここに来て、7〜9月期におけるECBの金利正常化とユーロ安牽制発言もあってユーロドルが上昇したことで、ドル円でもドル売りの調整が入ってきました。

金融市場を取り囲む材料自体は、インフレ懸念による金利上昇とウクライナ問題と中国ロックダウンの影響による年後半の景気後退懸念など大きな変化は見られませんが、少なくとも株式市場にとっては悪材料が目立ちます。

ここに来て株式市場のリスクオフの動きがドル円では円高になるという従来の動きに戻ってきた感もあって短期的にはドル円も上値が重くなりやすい地合いが続いています。

*ポジション
シカゴの通貨先物のポジションでは安定的な円売りポジションが継続していますが、直近の10万枚超えの状況からさらに円売りが増える状況にはなっていません。中長期的なポジションはある程度円売りでお腹いっぱいの状態のようです。

*テクニカル
ドル円は年初来安値と高値をベースに押しを考えると23.6%押しが127.13となり、4月27日安値が126.94だったこともあり、同水準を下抜けたことから次のターゲットとなる38.2%押し124.52をターゲットとしやすい状態です。週足チャートでも2021年安値と今年の高値との23.6%押しが124.49と日足のターゲットと重なります。

4月の円安加速が3月高値125.11を上抜けてから始まったことを考えると、大台125円からテクニカルなターゲットとなる124円台半ばまでの円高は良い調整になると考える参加者も多く、長期的なドル高トレンド継続中の踊り場形成を考えたいところです。

*結論
ドル円の調整は今日明日では無いと思いますが、今後月末から月初に向けてのユーロドルの動きも見ながら127円台前半でも売りポジションは大きく取れる可能性があります。ただし、125円をつけるようならば長期的に改めてドテンでドル買いということにもなるでしょう。



配信日:2022年5月26日