デイリーレポート(2019年10月7日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

雇用統計自体は単月の影響は限られているものの、最近の米国経済指標の弱さもあって、NY市場までやや水準を下げる展開が続きました。内容はミックスしていたものの、当初は予想よりも弱いNFPと平均時給に反応し、106.55レベルの安値をつけました。しかし106円台半ばをトライしきれなかったことや、失業率が3.5%と低下したことから週末前の買い戻しが強まり、直後に107.13まで買い戻されたものの引けにかけては前日終値水準に押して引けました。
いっぽうユーロドルは、1.09台後半を中心としたもみあいが続き方向感がはっきりしないままNY市場入り。雇用統計直後はドル円と同様にドル売り後のドル買い戻しでユーロドルは1.0998レベルまで上昇したものの前日高値は超えられず反落。1.0957レベルの安値をつけ、その後は一日のもみあいの中ほどでの週末クローズとなっています。

ドル円は、雇用統計は一時的な振れの要因となっても既に完全雇用に近い状況ですから、今後明らかに悪化する流れにでもならない限り材料とはしにくいでしょう。今週は米中通商協議の次官級、閣僚級と10月中の合意を目指していくこととなりますが、果たして米中間の溝が埋まったかどうか、今週のドル円では最大の材料となります。また今週は前回のFOMC議事録発表とパウエルFRB議長の講演がありますので、10月末のFOMCでの利下げに対してFRBの見方を判断する材料となりますが、現状では市場参加者がかなり利下げ思惑に傾きすぎている感もあり注意は必要です。本日は目立った材料も無く、金曜のレンジ内でのもみあいを考え、107.05レベルをレジスタンスに106.60レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは、引き続き欧州の経済指標とブレグジットの行方が材料視されますが、EUからは現状では進展していると思われるニュースは出てきません。英国内では議会は合意なしの場合は離脱延期、ジョンソン首相はなんとしても離脱と相変わらず平行線ですが、現在EUに提示している代替案に対して来週のEUサミットでは結論が下されますし、水面下では今週も検討が続きます。米中通商協議以上に不透明感が漂いますが、このままではポンドもユーロも戻り売りが出やすい流れには変化なしとみていたほうがようでしょう。本日は、ユーロドルが1.0960〜1.1000、ユーロ円は117.10〜117.50とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf

月足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Monthly.pdf



配信日:2019年10月7日