デイリーレポート(2019年10月4日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場に入るまでは107円台前半で方向感のはっきりしないもみあい相場となっていました。NY市場に入って発表されたISM非製造業指数が予想よりも弱かったことをきっかけにダウが大幅安となり、為替市場ではドル売りが勢いづき一時106.48レベルの安値をつけました。引けにかけては利下げ期待からダウが下げる前の水準よりも上昇する動きとなり、ドル円も107円に近づいての引けとなりました。いっぽうユーロドルは、欧州市場序盤に発表されたサービス業PMI改定値が弱く下押しする場面も見られましたが、すぐに買い戻され元の水準で神経質にもみあいながらNY市場入り。NY市場ではドル円同様にダウの動きに沿って一時1.0999レベルまで上昇後に、NY朝方の水準に押して引けました。

ドル円は米国の経済指標もドイツ同様に製造業からサービス業に景気減速の流れが波及しています。最初は素直に株売りドル売りで入りましたが、今週に入ってから連日の弱い経済指標の影響もあって、10月FOMCにおける利下げ織り込み度が急速に上昇し、現状では利下げがコンセンサスです。前回FOMC時点から状況は変わっているものの、利下げを考えていなかったFRBが果たして動くのか、このあたりが月末に向けての材料に加わった印象です。本日もドル円は基本的に戻り売りを考えますが、雇用統計もあるので107.15レベルをレジスタンスに106.65レベルをサポートとする流れを見ておきます。雇用統計も弱いというときには注意が必要です。

ユーロドルは欧州時間の指標の反応がそれほどでも無かったのは改定値であったことも大きいのですが、ブレグジットの状況を見極めるまではポンドもユーロも方向感をもって取引することは困難です。どうしてもドル材料で動きが出やすくなるでしょう。ユーロも雇用統計までは動きが出にくいでしょうが、もし雇用統計の数字が弱いときには一気に大台1.10に乗せてきそうです。本日(雇用統計まで)は、ユーロドルが1.0965〜1.1000、ユーロ円は117.10〜117.50とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf



配信日:2019年10月4日