デイリーレポート(2019年10月8日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は週末に今週を通して行われる米中通商協議において中国が協議範囲を狭めるとの報道からギャップダウンしてリスクオフのスタートを切りましたが、まったくいつもと同じことが繰り返されギャップを埋めるとじりじりと水準を切り上げる流れとなりました。NY市場に入ると中国の部分合意提示が好材料となり、株価とともにドル円は上昇、一時107.46レベルをつけたものの引けにかけては、米中間でまだ具体的には何も決まっていないこともあってやや押しが入っての引けとなりました。
いっぽうユーロドルは、東京市場では売りが先行後、海外市場に入ってからは買い戻されてと方向感がはっきりしない展開が続きました。その後、ドル円とともにユーロ円の買いが目立ち、その動きがユーロドルにも波及、ユーロドルは一時1.1001レベルの高値をつけました。しかし、1.10の大台超えには売りオーダーも多く、NY市場ではドル買いの動きに引っ張られてユーロは週末終値を若干下回る水準へ押して引けています。

ドル円は、週末の悪材料でギャップダウンして始まると必ず買われるというパターンを今回も繰り返しました。おそらく、こうしたイベント後のギャップダウンではカウンターで買うというアルゴリズムがあるように思えます。その後は米中間の協議進展期待もありましたが、当のトランプ大統領が部分合意はしないと言ったことを取り消してはいませんので、まったく安心できる状況とは思えません。次官級、閣僚級と金曜まで協議が続きますが、落としどころを見つけて部分合意となるか、あるいは今回も協議決裂となるか、現状では何もわからないとしか言えません。本日は昨日買いが出た後ということもあって、戻り売りを考えたいところです。107.50レベルをレジスタンスに107.00レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは欧州市場の昼頃にユーロが対円、対ドルで上昇する動きを見せましたが、ユーロ円が金曜高値を上抜けたあたりからは仕掛け的な買いも加わって、ユーロ円はNY後場には117.91レベルまで上昇しています。その後ユーロドルが1.10の大台乗せに失敗し、ユーロドルの反落する動きとともに調整の売りが見られました。ユーロも来週のEUサミット(理事会)に向けてブレグジットがどのようになるのか見通しが立てられず動きにくい状況ですが、ファンダメンタルを考えると1.10の大台前後では売りたいと考える向きが多いようです。テクニカルにも1.10台前半がレジスタンスとなります。本日は基本的にもみあいを考え、ユーロドルが1.0960〜1.1000、ユーロ円は117.50〜117.90とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf

月足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Monthly.pdf



配信日:2019年10月8日