デイリーレポート(2019年10月3日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は日経平均株価が比較的底堅かったこともあって、やや円安気味に推移していましたが、戻りも鈍く前日の下げに警戒しながらの海外市場入り。欧州市場序盤からじりじりと水準を下げる動きとなっていましたが、NY市場に入りダウが大幅安となったことを受け、ドル円も107.05レベルまで安値を切り下げ、上値の重たいままでの引けとなりました。いっぽうユーロドルは、欧州市場に入りブレグジットに向けての英国の修正案と、それ対するEU側の意見などが出てきたものの、いまだ不透明感しか感じられずポンド売りからのユーロ売りとなりました。その後のNY市場ではドル売りの動きからユーロドルも急速に買い戻され1.0964レベルへと反発し高値引けとなっています。

ドル円は世界的な景気減速懸念が収まらず、前日に続いてNYダウが大幅安となったことからリスクオフの円買いの動きとなっています。GPIFの外債投資拡大ニュースでドル買いに回った向きも投げさせられた印象ですが、ここに来て10月FOMCにおける利下げ思惑も高まっていて(先物市場の利下げ織り込み度は75%にまで上昇)、それもドル円のドル売り材料となっています。本日も株式市場をにらみながら戻り売りが出やすいと考えられますので、107.25レベルをレジスタンスに106.75レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはブレグジット期限に向けておそらく最後となる修正案に対してEU側がどのように対応するか次第となってきました。依然として英国案に対しては賛否が分かれていますし、ジョンソン首相は期限延期はしないと言っている以上、合意なき離脱の可能性もかなり高いと考えざるを得ません。半分はEUに対する圧力でしょうが、双方とも合意なしの想定もしていることから、EUサミットまでギリギリの交渉が続きそうです。現状はドル安によるユーロ高ですが、ユーロのファンダメンタルの悪さもあって、ユーロドルは上がったところではまだ売りが出そうです。本日はユーロドルが1.0935〜1.0975、ユーロ円は117.10〜117.60とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf



配信日:2019年10月3日