デイリーレポート(2022年4月27日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日本文のみとなります。

ドル円は朝方こそ売りが先行しましたが、財務大臣による協調介入否定発言や元財務官の円安容認発言を受けて買い戻しが入りました。しかし朝方の高値にはわずかに届かず、その後売りに転じると米金利低下も手伝ってNY前場には127.02レベルの安値をつけ、引けにかけては127円台半ばに戻しました。

ユーロは前日のユーロドルが2020年3月以来の安値となった動きを継続し、対ドル対円ともに一段安の展開となりました。NY市場では米株の下げとともに欧州株も全面安となり、ユーロドルが1.0636レベル、ユーロ円も135.30レベルまで下値を切り下げ安値引けとなりました。

ドル円は為替水準についていろいろな話は出ているものの、現在の通貨当局のトップである財務大臣が円安に懸念をしてしていることを除いて個人的な意見が色々と出ているだけですから、そうした発言でドルを買うというスタンスはあまり賢明とは思えません。長期的な円安トレンドには変化は無いものの、短期的には先週の129円台で高値をつけ、現状は下値の目処を探る流れが続いています。

ユーロドルは一時期の利上げ前倒し思惑によるユーロ買いから、米国との金利差へと視点が移ったこと、長引くロシアによるウクライナ攻撃や一部の国に天然ガスの供給を停止するとのニュースもあって、ユーロ安が進んでいます。ユーロドルは2020年安値1.0638レベルを下回り始めてきたことから、次の大きなサポートとしては2017年安値1.0340レベルを視野に入れる展開となりやすいでしょう。

本日も3主要通貨ペアともに上値が重たい展開を考え以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  126.80〜127.80
 ユーロ  1.0600〜1.0700
 ユーロ円 135.00〜136.00



配信日:2022年4月27日