デイリーレポート(2022年4月25日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場では週末を前にしたポジション調整が中心となり、前場は買いが先行して前日高値を超えられず、後場は売りが出ても前日安値を下回らずと方向感がはっきりしないまま海外市場入り。欧州市場ではユーロドルの下げに引っ張られて買い戻しとなり、NY市場では黒田日銀総裁で緩和継続の話が円安容認と誤って伝えられたことで128.71レベルの高値をつけましたが、訂正され緩和のみとなったことで上昇前の水準に押しての週末クローズとなりました。

ユーロドルは東京市場では動きが鈍く欧州市場では売りが先行後に買い戻しといった動きは見られましたが、方向感は出ないままでした。NY市場ではドル円の動きに引っ張られてユーロ売り後の買い戻しという動きになりましたが、ラガルドECB総裁がAPPの7月終了と年内利上げ開始を示唆したことで、引けにかけては買い戻しが入りましたが、やや上値が重たい流れのままで引けています。

ドル円は日米財務省会談が特に気にすべき内容では無かったことから円安トレンドを再開しやすい地合いとなってきましたが、今週後半からゴールデンウィークが始まることもあり、インターバンク勢は積極的にドル買いを仕掛けるという雰囲気でも無さそうです。ただ下がったところでは買いたいと考える向きが多く、連休前に実需のドル買いが出てくる可能性を考えると先週後半の安値圏127円台後半は買いが出やすく、いっぽうで129円台では利食いの売りが構えているという構図でしょうか。

ユーロドルはラガルドECB総裁が欧州時間にECB関係者に対して、理事会の決定事項と異なる個人的見解や理事会での協議内容を話さないようにと指示したことで、今後出てくる話はECB理事会の方針に沿った発言が中心となりそうです。そして先陣を切っての発言がラガルドECB総裁自身による、APPの7月終了と年内利上げ開始の示唆となったことで、今後はこの発言がECBの基本的なスタンスという理解で進むこととなります。

本日はドルの押し目買いという流れに変化は無いものと考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  128.20〜129.10
 ユーロ  1.0760〜1.0825
 ユーロ円 138.45〜139.45



配信日:2022年4月25日