デイリーレポート(2022年4月14日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日本文のみの更新となります。

ドル円は東京前場には財務大臣の円安注視発言から125.56レベルから12レベルまで下げたものの、押し目は絶好の買い場とされました。東京後場には改めてドル買いの動きとなりましたが前日高値に1銭足らず上値が重たい展開に。NY市場ではCPIは高かったものの予想通りであったことから既に下げていた米金利が一段の低下を見せ、ドル円も124.76レベルまで水準を下げましたが、引けにかけては改めて買いが出ていました。

ユーロドルは前日の流れを受けNY市場まではじり安の展開となりましたが、特に目立った材料が出たわけでも無くポジション調整が中心となっていました。米国CPI発表後には一時的に上昇する場面も見られましたが、その後は改めてドル買いの動きから1.0821レベルまで下押しし安値圏での引けとなりました。

ドル円は昨日も高値は125.76レベルで止まり2015年高値更新とはなりませんでした。しかし、押し目が入れば買いという流れが続いていることや、当局からの発言は続いているものの一歩踏み込んだ発言にはなっていないため、本日以降も下げたら買いという動きは続くでしょう。

ユーロドルはプーチンがウクライナ侵攻を肯定し停戦期待が遠のいたこともあって、今後も上値が重たい展開が続きそうです。基本的にドル高の流れの中で、ドル買い材料となりやすいニュースに反応しやすいという動きはドル円同様に今後も続くものと考えています。

本日もドルの押し目買いを考え以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  125.20〜125.80
 ユーロ  1.0795〜1.0855
 ユーロ円 135.70〜136.25ドル円は東京前場からじり高の展開を辿り後場には今週高値圏に迫っていましたが、黒田日銀総裁が大規模緩和を継続するとの発言に円売りの動きが強まり2015年高値も一気に上抜け126.32レベルと2002年以来の高値を見ることとなりました。その後は新値更新達成感も出たこともあり米金利低下とともにNY昼過ぎには125.37レベルまで水準を下げ、若干戻して引けました。

ユーロドルは前日NY後場の流れを受けて上値の重たい展開が続いていましたが1.08を目前に下げきれずNY前場に見た1.0809レベルを安値に反転上昇。ECB理事会を控えていることもあって、売り手が急速に買い戻しに動いたこと、米金利低下によるユーロ買いが入ったことでNY昼過ぎには1.0894レベルまで買い戻され高値圏での引けとなりました。

ドル円は一気に126円台乗せを見ることとなりましたが、黒田日銀総裁の発言や対応を見ている限り、あえて円安に誘導しているとしか思えないところもあります。日銀総裁就任のかなり前とは言え黒田総裁は元財務官でもあり、財務省で為替事務方のトップにいたこわけですから、わかった上で発言しているとしか思えない面もあります。

今はいったん落ち着いていますが、長期的には130円、135円と止まらない円安へと足を踏み出してしまったと思いますので、為替市場を注視している現財務官がどのように考えているのか次第でしょうか。

ユーロは本日のECB理事会でどのような議論がなされるのか、緩和縮小を前倒ししてくるのかどうかを見極めたいところですが、停戦協議後のトップ会談どころか攻撃を強めるであろうロシアの動きを考えると、ECB理事会後に上がるようであればカウンターで売りが出てくる流れでしょう。

いずれにしても中期的なドル高の流れは変わらないでしょう。本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  125.00〜125.80
 ユーロ  1.0850〜1.0925
 ユーロ円 136.10〜137.00



配信日:2022年4月14日