デイリーレポート(2022年4月12日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は東京前場から米金利が上昇する動きとともにドル買い・円売りの動きが強まりました。後場には日銀支店長会議で大阪支店長が円安容認発言を行ったことも重なり125円台半ばまで円安が進みました。海外市場に移ってからも円安が進行しNY前場には125.77レベルの高値をつけました。2015年高値125.86レベルには9銭差で届かず、引けにかけては125円台前半に押して引けました。

ユーロドルは週明け早朝は前週末よりも高く始まりましたが、フランス大統領選が決選投票で接戦となりそうだとはいうものの現職のマクロン大統領優勢な状況は変わらないとの第1回投票結果を好感したようにも思えます。米金利上昇によるドル買いで先週終値近辺に押したものの欧州市場では円安の動きがユーロ円でも加速し、ユーロドルはその動きに引っ張られて上昇。NY市場ではドル円とともにユーロ円の上昇も止まったことでユーロドルは安値圏へ押して引けました。

ドル円は円安の流れが止まりませんが、2015年高値を前に日計りで買った向きが利食いを入れた感じです。日銀は通貨当局では無いものの125円台でも円安を容認するとなると130円、140円と自国通貨安を止めることができなくなる恐れがあることは、しつこいようですがトルコリラを見ればわかります。そしてトルコではトルコリラ安を止めるための自国通貨買い・ドル売り介入をしたことで外貨準備が底をつくとまで言われました。

これは日本でも起こりうることです。円高局面での円売り(ドル買い)介入はいくらでもできますが、円買い介入は基本ん的に外貨準備以上はできません。日本といえど世界の投機筋が一斉に円売りに動いたら、介入出来なくなる可能性も相当に高いと言わざるを得ず、悪い円安に加えて止められない円安のリスクもあることは当局はもっと認識すべきですし、日銀の上層部が積極的に言うようなことではありません。

さて本日ですが、昨日の今日で調整が先行しやすいとは思いますが、すでに125円が底堅い水準と言えます。米金利も上昇地合いに変化はなく対ユーロでもドル買いの流れは続きやすいものと見ています。本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  124.95〜125.95
 ユーロ  1.0830〜1.0890
 ユーロ円 136.00〜137.00



配信日:2022年4月12日