デイリーレポート(2022年4月11日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

金曜の東京市場では前場に下日銀理事による夏にもイールドーカーブコントロールの弾力化(金利上昇容認)、国民は円安に不満といった発言をきっかけに123.66レベルまで水準を下げました。しかし根強い押し目買いが見られる中で米金利が上昇し、NY市場前場には2.728%にまでの上昇を受け、124.68レベルまで上昇後、引けにかけては124円台前半へと押しました。

ユーロドルは東京前場から上値が重くじり安の流れとなり、欧州市場序盤には1.0848レベルの安値をつけました。欧州市場ではロシアへの追加制裁で売っていた向きの買い戻しから欧州昼前には1.0892レベルの戻り高値をつけました。その後は米金利上昇によるユーロ売りからNY前場に1.0836レベルの安値をつけ、引けにかけてはユーロ円の買いも手伝って1.08台後半へと戻して引けました。

ドル円は財務省筋だけでなく元日銀理事の発言も出るなど、おそらくは125円以上の円安は急速に進まないようにといった連携が出来てきた感じもします。本当に通貨が弱くなるとトルコリラのように止めることは出来ませんので、現状は円安のペースを緩やかにするという段階にありそうです。そうなると本当に止めたい水準は125円では無いと考えられ、引き続き発言のトーンの変化に気をつけたいところです。

ユーロはロシア追加制裁と欧州経済減速懸念でユーロの上値が重たい流れが続いています。また米金利上昇もユーロドルでのドル買い(ユーロ売り)となっていて、上がったところでは売りが出やすい流れにあります。ただドル円の円安の動きがユーロ円にも波及し。金曜はユーロ円の買いがユーロドルの動きを鈍くしていました。週明けもユーロ円の動きを見ておきましょう。

本日はドル円は一度は125円をトライしそうですが前回高値を上抜けるところまでは無いのではと見ていますが、ユーロ円の買いが強まるとドル円の水準に関係なく円が売られることもあるため、本日はユーロ円がキーになりそうです。本日は円安とユーロドルの横ばいを想定して以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  124.20〜125.05
 ユーロ  1.0860〜1.0925
 ユーロ円 135.30〜136.25



配信日:2022年4月11日