デイリーレポート(2022年4月5日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は一時的上昇を除くとほとんどの時間帯での取引が122.50〜80レンジに収まり動意薄の一日となりました。材料的にはドル買い+円売り材料が多いものの以前よりも頻繁に財務省筋から為替市場についての発言があることから、短期的には利食いのドル売りが入りやすい流れとなりました。

ユーロドルは東京市場では動きが見られなかったものの、欧州市場に入りEUがロシアに対して追加制裁を行うとのニュースから欧州景気に与える悪影響を懸念した売りが目立ちました。欧州市場序盤には1.10台半ばでしたが、金曜安値を下回るとストップも巻き込みながらNY後場には1.0960レベルへと水準を下げ安値引けとなりました。

ドル円は125円台という明確な水準への言及は無いものの、財務省としては先週つけた125円台は円安、また3月の円安ペースは速すぎたという認識でいるように思えます。黒田日銀総裁は円安論者ですが、今後の政府の動きによっては発言に微調整を加えてくる可能性はありそうです。2015年当時も125円台で反転しましたが、今回もそうした可能性も出てきたように思えます。

何もしなければ130円のタイミングは早そうですが、円安を牽制すれば120円への動きも速いでしょうから現状ではじっくりと状況判断をしたいが故の動かない流れとなっています。

ユーロドルは停戦協議後の進展が見られない中で、対ロ制裁強化による欧州景気減速、そしてユーロ売りという流れが再び懸念される流れになってきました。期待で買われていた部分が剥げ落ち、先週初の安値圏を試しやすい展開になってきたようです。

本日はドル円がやや上値が重いもみあい、ユーロは対ドル対円ともに戻り売りを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  122.20〜122.85
 ユーロ  1.0925〜1.1000
 ユーロ円 134.00〜134.90



配信日:2022年4月5日