デイリーレポート(2022年3月28日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は早朝には122.43レベルと前日高値をわずかに更新したものの、前場の実需のドル売りに加え、財務相が為替の急速な変動は望ましくない、市場を注視していく、との発言もあって急速に円買い戻しが進み昼過ぎには121.18レベルの安値をつけました。黒田日銀総裁の委員会発言は相変わらず円安容認となりましたがこちらは反応薄。東京後場以降はユーロドルの下げとともにドル円の買い戻しが入ったこと、NY市場では米金利上昇が目立ったこともあり122円台前半に戻しての週末クローズとなりました。

ユーロドルは東京前場にはドル円とともにドル売りの動きから買いが先行していましたが、その後はじり安の展開が続き、ウクライナ情勢が不透明なことから週末前のユーロ買いは持ちにくいというポジション調整も出ていたようです。今週もロシアとウクライナとの停戦協議が行われますが、既に早期解決は困難との見方が強く現時点では材料視しにくい流れが続いています。

ドル円は材料的にはドル買い材料と円売り材料が目立ちますし、テクニカルにも2015年高値の125円台まで目立ったレジスタンスが無く、金曜のように押し目があれば拾いたいと考える参加者が多い流れは続きます。財務省筋からは為替の急速な変動は望ましくないと最近の円安が与えるデメリットも気にしているようですが、通貨当局では無い日銀の黒田総裁は円安容認を続けと、まだ現状の円安水準に対して危機感という段階には無いようです。ただ。ここで少しは止めておかないと円安を止めることは着実に困難になっていきますので、日本経済のことを考えるならばこれ以上の円安は悪い円安まっしぐらです。

ユーロドルはウクライナ情勢次第という状況が続きますが、早期解決とは行きそうもないですし、景気減速下のインフレという難しい状況へと突き進んでいます。テクニカルには1.09台半ばから後半に下げると買い戻しが出てくる流れが続いていますが下抜けると一段安となりやすい地合いです。今日にも下げが加速してもおかしくないのではと見ています。

本日はドル円は若干上値が重たいもみあい、ユーロは下げを考え以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  121.80〜122.40
 ユーロ  1.0925〜1.1000
 ユーロ円 133.30〜134.30



配信日:2022年3月28日