デイリーレポート(2022年3月25日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日本文のみの更新となります。

円が終日続落しNY市場では122.41レベルまで円安が進行し、そのまま円安地合いのままで引けています。弱い通貨は何かアクションを起こしても通貨安が続きやすいことは過去のトルコリラなど見ればわかりますが、現在の円はそうした流れを再現するリスクがあります。

円の場合、まだアクションを取れば調整局面に持っていくことができますが、何もしないと2015年の125.86レベルまでまっしぐらです。本日東京前場に黒田日銀総裁が国会の委員会で円安について答弁することになっていますので、まずはそれを見たいところですが、これまでの円安容認を繰り返すようであれば、悪い円安は今後も継続です。

いっぽうでユーロドルはウクライナ情勢の長期化が予想されるため上根が重たい流れではありますが、ユーロ円での円売りがユーロ安を中和している状況です。NATO軍はロシアが核兵器を使用する可能性を考えた準備をし始めたようですが、本当にそのようなことが起きたらユーロは急落です。

軍事力を背景とした米国買い(為替市場ではドル買い)一色となる可能性もあり、そうなると円安もさらに加速して止めることはできないでしょう。アクションを取るなら今です。意図的に円安相場を作って日本を弱体化させたいというのならば別ですが、今のままでは年内の円安値予想が140、150円といった声が出てくることも近いでしょう。

週末前でリスクを取ることはあまり勧められませんが、円に関してはさすがに利食いも出るのではないでしょうか。以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  121.50〜122.50
 ユーロ  1.0960〜1.1040
 ユーロ円 133.80〜134.80



配信日:2022年3月25日