デイリーレポート(2022年3月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

金曜から月曜を振り返っておきます。

金曜のドル円は金曜も朝からじりじりと円安が進んでいましたが、日銀会合後の黒田総裁会見でも円安を肯定する発言が出たことで円売りへの安心感が広がり、海外市場に移ってからはユーロドル売りの動きも手伝ってNY前場には119.40レベルまで上昇後、やや押しての引けとなりました。
ユーロドルは前日高値以降は上値が重くなり、金曜もじり安の展開。欧州市場では停戦協議が長引きそうなことを嫌気したユーロ売りが強まり、NY市場前場には1.1004レベルと大台目前の水準まで下げましたが、引けにかけては1.10台半ばへと戻して引けました。

月曜のドル円は東京市場が休場となったこともあってNY前場までは119.20レベル前後の狭い値幅での取引が続きました。パウエルFRB議長が今後のFOMCにおいて積極的な利上げが適切であればそのようにすると発言したことから米金利が上昇、ドル円も119.50レベルまで上昇し、高値圏での引けとなりました。
ユーロドルも上値は若干重たいものの1.10台半ばでのもみあいを続けていましたが、パウエル議長発言をきっかけに1.1010レベルまで水準を下げ安値圏での引けとなりました。

ドル円は前日NY後場の流れを受けて早朝から買いが先行していましたが、買い仕掛けと120円にあると言われたストップオーダーを一気につけにいく荒っぽい動きを見せ、一時120.07レベルの高値をつけました。大台超えを見たことで達成感もありますし、財務省あたりから円安を注視するといった類の牽制発言が出てくる可能性もあり、今日の高値は早朝に見た感じもします。

ユーロドルはドル買いの流れから1.0981レベルの安値をつけたことで、全体にドルが強い流れとなっていますが、今週後半には緊急G7とNATOサミットが開催されウクライナ問題について協議されるため、それまでは動きにくい流れが続くと思われます。ただ、依然として情勢は悪化していることから基本的にユーロの上値は重たい地合いとなるでしょう。

本日は上述の通りドルの高値を見ている可能性を考え、調整の下げを想定し以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  119.40〜120.05
 ユーロ  1.0970〜1.1020
 ユーロ円 131.40〜131.95



配信日:2022年3月22日