デイリーレポート(2022年2月28日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は欧州市場前場まではウクライナ情勢を懸念したダウ先の下げを見ながら円買いの動きが見られました。しかし欧州市場に入り、ロシアとウクライナによる停戦交渉期待から株式市場の上昇とともにドル円にも買いが入り、115.76レベルと前日高値を上抜けた後にやや押しての引けとなりました。

ユーロドルは東京市場ではドル円同様にドル売りの動きとなっていましたが、欧州市場序盤に株安が進んだ際には一時的に売りが目立ちました。その後は株高によりユーロは対ドル、対円で買い戻しが入り一日の高値圏で引けています。

週末には停戦交渉期待はあるもののロシアに対する追加制裁でロシアの主要銀行を国際決済手段であるSWIFTから締め出すことで合意が得られ、それにより西側諸国もそれなりに痛みを伴うということから、週明け早朝の相場は株安、ユーロ安、原油高という反応を見せています。

ドル円はほとんど動いていませんが、株安リスクオフによる円買いとユーロ売りによるドル買いの双方の動きがミックスした結果と言えます。停戦合意となればリスクオフの巻き返しで、これとは逆の動きになってくるでしょうが、逆に話が進まずさらなる情勢悪化ということになると、世界最大の軍備を持つ米国買い他国売りという動きが為替市場では見られるでしょう。冷戦時代の有事のドル買いに逆戻りです。

本日はロシアとウクライナとの停戦協議の行方を見ながら、何らかの結果が出てくるまではリスクオフ気味で早朝の動きを継続、その後の展開次第で上述の動きになってくると見ています。

本日も何が起きるかまったく想定できませんので、予想レンジは書かないでおきます。



配信日:2022年2月28日