デイリーレポート(2022年2月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けの為替相場は週末にウクライナ問題が緊迫化していたところに米露首脳会談開催で基本的に合意したとのニュースでリスクオフの巻き返しでスタートしました。しかしドル円はユーロドルのユーロ買いが強かったことからドル売りに押される形となり金曜からのじり安を続け、114.72レベルまで下押しして安値引けとなりました。

ユーロドルは首脳会談のヘッドラインでリスクオフの巻き返しから欧州市場序盤には1.1390レベルまで大きく買い戻されていましたが、欧州市場に移りロシア側が首脳会談の具体的な計画が無いとのニュースから反落、NY市場の後場にはロシアが一方的にウクライナ東部の親ロシア派の自治共和国の独立を承認したことで続落、完全に行って来いの動きとなって1.1307レベルまで下押しして安値引けとなりました。

NY後場に出てきたロシアによる自治共和国承認のニュースは米露首脳会談の実現を困難にするだけでなく、本日中にも西側諸国による経済制裁発表の恐れがあり、さらなるリスクオフ相場の様相となることは間違いありません。株式市場は大幅安となるでしょうし、それを見て為替市場は3主要通貨が続落という流れです。商品市場では金価格がリスクオフで上昇し、原油価格は需給の懸念から上昇という流れです。

いずれにしてもこれに対して米国がどのような反応をするのか、それでも首脳会談を開催ということになれば望みはつながるというイメージもありますが、現時点では既にロシアは独立承認地域への派兵も決定し、実質的には侵攻と大きな違いは無いということになります。本日の欧州市場までは上値が重い様子見となるでしょうが、それ以降はリスクオフの嵐に要注意です。

何があってもおかしくないかなり悪い状況となってきましたので、予想レンジは書かないでおきます。



配信日:2022年2月22日