デイリーレポート(2022年2月18日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日も本文のみの更新となります。

ドル円は東京昼過ぎにウクライナ東部でウクライナ軍が砲弾発射とのヘッドラインを受け、リスクオフの株安+円高の動きとなりました。その後も終日株式市場、ドル円ともじり安の流れが続きました。NY市場に入りバイデン大統領、ブリンケン国務長官がそれぞれロシアがウクライナに数日中に攻撃する可能性が高いとしたことで、引けにかけてもリスクオフの動きとなりドル円は114.85レベルまで水準を下げ安値圏での引けとなりました。

いっぽうユーロドルはウクライナ情勢を懸念したユール売りの動きが出ているため上値は重たい流れとなっていましたが、ドル売りの動きも重なったことで安値も東京昼過ぎにつけた1.1323レベルから切り上げる展開となり、海外市場では1.13台半ばでほとんど動きが無い様子見姿勢が続いていました。

東京昼過ぎのウクライナ軍砲弾発射のニュースはロシアの通信社発であったことから、ひょっとすると以前米国が言っていたような侵攻の口実を作るためのやらせである可能性もあります。実際にクリミア侵攻時はそのやらせがきっかけとなり併合へとつながったという事実があり、今回の米国は機密情報も公表しながらかなりロシアを牽制する動きに出ています。

しかし、ロシア側も経済制裁を受けても進行するリスクは否定できず、クリミア併合の際も西側諸国による経済制裁があり、ロシアルーブル急落といったこともありましたが、結局は既成事実化してきていますので、今回も侵攻と制裁リスクとを天秤にかけ侵攻する判断をする可能性もあるでしょう。

そうなると北京オリンピックが終わってから中国が台湾に対する圧力を高める可能性にも繋がり、現状ではリスクオフのスタンスを継続していくこととなります。本日は週末前のリスクもあり、何もなければ現行水準での横ばい、何かあった場合には週明け相場はリスクオフの嵐が吹き荒れることとなります。

ポジションを持っての週末越えは、リスクオフを考えた株売り、円買いといった方向以外は避けておいた方が安全でしょう。本日中は何も無いとは思いますが、参考レンジは示さないでおきます。



配信日:2022年2月18日