デイリーレポート(2019年9月24日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場が休場となったこともあって、欧州市場が始まるまでは小動きに終始しました。欧州市場序盤に弱い欧州の経済指標に反応し、ユーロがタイドルだけでなく対円でも大きく水準を下げ、特に材料が無かったドル円はユーロ円の影響を受けて一段安。金曜安値を下抜けるとストップも巻き込んで一時107.31レベルの安値をつけました。その後、NY市場では買い戻しも見られ107円台半ばへと戻して引けています。
いっぽうユーロドルは欧州市場序盤に発表されたフランスとドイツのPMI速報値が予想よりも弱かったことをきっかけに、ユーロドルは1.0966レベル、ユーロ円も117.76レベルまで下値を広げました。ブレグジットに関してEUの首席交渉官がバックストップ削除に否定的な見解を示したこともユーロの上値を抑えました。その後NYの引けにかけては、ポジション調整の買い戻しも出てじり高での引けとなりました。

ドル円は、先週金曜NY後場での中国代表団早期帰国の余波が続いていますが、昨日もスタート直後は買い戻しが出るという最近のパターンに沿った動きを見せました。個人的にはリスクオフイベントで円高になったところをカウンターでドル買いに入るというAIトレードが最近は行われているような気がしてなりません。ただ、客観的な材料だけ見ていると、リスクオフ要因やドル売り材料のほうが多く、着実に歪みが積み重なっているような印象です。そして、フラッシュ・クラッシュの発生で歪みが解消されるという流れが今後もありそうです。今週は国連総会でトランプ大統領の外交が見られますが、日米通商協議合意が延期されるとの思惑が出ていますが、大筋での変更は無いでしょうから昨日も材料視されませんでした。本日は基本的に戻り売りを考え、107.75レベルをレジスタンスに107.25レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは先のECB理事会でも言及された欧州景気の弱さを証明するかのようなPMIがきっかけでユーロ売りとなりましたが、特にドイツ製造業の数字が悪く41.4にまで落ち込んできました。ユーロが対ドル、対円で水準を切り下げる結果となりましたが、まだ9月安値には距離があります。仮に3度めのトライで1.0927を下抜けすると一段のユーロ安につながることとなりそうですが、今後は同水準をターゲットにしやすい流れになってきたと考えられます。ユーロドルは本日も戻り売りを考え1.0960〜1.1010、ユーロ円も同様で117.80〜118.50とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf



配信日:2019年9月24日