デイリーレポート(2022年2月7日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では底堅い日経平均とともにじり高となっていましたが、欧州市場ではダウ先に売りが見られたことから朝方の水準へと押してNY市場入りとなりました。米国雇用統計はADPがマイナスだったことから弱い数字が出るのではと警戒されていましたが、予想を大きく上回る+46.7万人となったことから115.43レベルまで上伸しました。引けにかけては週末前のポジション調整も見られ115.14レベルで引けました。

ユーロドルは前日のラガルドECB総裁会見で急騰した動きの余波が残っていたという感じでしたが、米国雇用統計発表まで底堅い展開を続け1.1484レベルの高値をつけました。雇用統計後のドル買いの動きから1.1411レベルの安値をつけ、引けにかけては1.14台半ばへと戻しています。

米国雇用統計はここ数ヶ月弱目の数字が出ていたことや先行して発表されたADP全国雇用者数を見て全般にさらに弱い数字が出るのでは無いかとの思惑もあったことからドルが買われたものの115円台半ばにはドル売りオーダーも見られ引けにかけては失速しました。

またECBが年内利上げに動くとの思惑が強まっていてユーロドルが底堅い動きとなっていることもドル買い一辺倒には動きにくい地合いとしています。英国は既に利上げに動いていますし、ECBも2022年第4四半期に利上げが見込まれる流れとなってきていることから、次は日銀がどうなのかというあたりが注目されるようになりそうです。と言っても発言に変化が出る可能性は4月以降になるでしょうか。

2022年は急速にインフレ対応のため引き締めが世界的に広がる一年となってきましたが、この利上げペースの加速が景気や株価に与える影響も考えると、為替相場はその時々でどの材料を見るのかで判断が悩ましい状態が続きそうです。おそらくはリスクオフが目立つ時には株式市場の影響を受け、株式市場が安定しているときは米金利に目が向きといったあたりは変わらないと思います。

本日は先週後半のイベント後ということもあり、ドル円はもみあい、ユーロはやや利食い売りが出やすい流れを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  115.05〜115.50
 ユーロ  1.1400〜1.1460
 ユーロ円 131.50〜132.10



配信日:2022年2月7日