デイリーレポート(2022年1月25日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は日経平均株価・先物と動きを揃える週末となりました。東京朝方に売りが強まり113.61レベルの安値をつけた後、後場は買い戻しが目立ち早朝水準まで戻しました。海外市場で改めて株式市場に売りが目立ちドル円も113.60レベルまで下げたもの同水準では買いもしつこく、NY後場のダウの下げにもかかわらずどちらかというと底堅い引け具合となりました。
ユーロドルは東京前場に1.1301レベルの安値をつけたものの1.1300には買いオーダーも入っていたようで下げきれず、その後はNY市場まで週末前のポジション調整と見られるユーロ買いが目立ちました。NY後場はダウの下げに反応してユーロ円の上値が重くなっていたこともあり、ユーロドルも若干水準を下げての引けとなりました。

ドル円は週を振り返ると週初こそ強めの株式市場に反応して円売りが先行したものの、株価が切り返したタイミングがちょうど115円トライと重なったこともあって、その後は週末に向けて株価とともにじり安の展開を辿りました。今週のFOMCでタカ派の発言が出る可能性や、利上げペースの拡大を懸念した株式市場のリスクオフが続きやすく、ドル円、クロス円は戻り売りが出やすい地合いが続きそうです。

ユーロはロシアによるウクライナ侵攻の懸念が続く中で週末には英国外務省がプーチン大統領がウクライナで親ロシア政権樹立を画策していると発表し、ロシアが反発するなど、落ち着くどころか緊張がさらに高まっているという状況です。地政学的なリスクからユーロ安となりやすい流れは続きそうですが、万が一ロシアが侵攻しウクライナを併合するようなことになるとバイデン政権にとって痛手というだけでなく株式市場は急落、ドル安という流れになるように思えます。

週初はFOMCに向けてドル円とユーロ円は戻り売り、ユーロドルはもみあいという流れを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  113.60〜114.00
 ユーロ  1.1315〜1.1355
 ユーロ円 128.70〜129.20週明けのドル円は東京市場では日経平均の上下に沿って買いが先行後に売りという流れでしたが、欧州市場に入り株先の売りが強まりドル円も一時113.47レベルの安値をつけました。株式市場はウクライナ懸念を背景にNY昼過ぎまで下げ続けましたが、為替市場はユーロの下げによるドル買いの影響も重なり底堅い推移となり、NY後場には大幅安となっていたダウの買い戻しから114.00レベルまで戻し高値圏での引けとなりました。

ユーロドルはウクライナ懸念が重石となって東京朝方から対ドル、対円ともに下げる動きが続きました。NY朝方にユーロドルが1.1290レベル、ユーロ円も128.41レベルの安値をつけ、その後は買い戻しが目立ち東京市場の水準に戻して引けています。

明日のFOMCを控えてどの程度タカ派な内容となるのかが2週間前あたりの最大の注目材料でしたが、先週あたりから急速にウクライナ問題が懸念材料となり、株式市場にはダブルパンチの状況が続いています。ドル円、クロス円も株式市場のリスクオン・リスクオフに反応しやすいとはいえ、昨日の海外市場のように全く離れて動くこともありますので、FOMC明けまではポジション調整を中心に3主要通貨ペアともにやや上値が重い展開がメインシナリオとなるでしょう。

サプライズがあるとすればFOMCよりもウクライナで、米国とロシアとの間で何らかの合意があるといったことが考えられますが、これまでも何度も行われてきた協議で何も進展がなかったことを考えると簡単には行かないでしょう。ただ、可能性としては考えておくべきで、その場合は3主要通貨ペアともに急速に買い戻される展開になりそうです。

本日は特にサプライズが無く、上値が重たくなる展開をメインシナリオとして以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  113.60〜114.05
 ユーロ  1.1295〜1.1335
 ユーロ円 128.60〜129.15



配信日:2022年1月25日