デイリーレポート(2022年1月24日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は日経平均株価・先物と動きを揃える週末となりました。東京朝方に売りが強まり113.61レベルの安値をつけた後、後場は買い戻しが目立ち早朝水準まで戻しました。海外市場で改めて株式市場に売りが目立ちドル円も113.60レベルまで下げたもの同水準では買いもしつこく、NY後場のダウの下げにもかかわらずどちらかというと底堅い引け具合となりました。
ユーロドルは東京前場に1.1301レベルの安値をつけたものの1.1300には買いオーダーも入っていたようで下げきれず、その後はNY市場まで週末前のポジション調整と見られるユーロ買いが目立ちました。NY後場はダウの下げに反応してユーロ円の上値が重くなっていたこともあり、ユーロドルも若干水準を下げての引けとなりました。

ドル円は週を振り返ると週初こそ強めの株式市場に反応して円売りが先行したものの、株価が切り返したタイミングがちょうど115円トライと重なったこともあって、その後は週末に向けて株価とともにじり安の展開を辿りました。今週のFOMCでタカ派の発言が出る可能性や、利上げペースの拡大を懸念した株式市場のリスクオフが続きやすく、ドル円、クロス円は戻り売りが出やすい地合いが続きそうです。

ユーロはロシアによるウクライナ侵攻の懸念が続く中で週末には英国外務省がプーチン大統領がウクライナで親ロシア政権樹立を画策していると発表し、ロシアが反発するなど、落ち着くどころか緊張がさらに高まっているという状況です。地政学的なリスクからユーロ安となりやすい流れは続きそうですが、万が一ロシアが侵攻しウクライナを併合するようなことになるとバイデン政権にとって痛手というだけでなく株式市場は急落、ドル安という流れになるように思えます。

週初はFOMCに向けてドル円とユーロ円は戻り売り、ユーロドルはもみあいという流れを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  113.60〜114.00
 ユーロ  1.1315〜1.1355
 ユーロ円 128.70〜129.20



配信日:2022年1月24日