デイリーレポート(2022年1月11日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場が休場となった昨日のアジア市場のドル円は株価が底堅く始まったことから買いが先行したものの115.85レベル止まりで上値が重たい印象で欧州市場入り。欧州市場では米国とロシアとのウクライナをめぐる会談を懸念してユーロが対ドル、対円で売られる流れとなり、ドル円はユーロ円とともに下げに転じました。NY市場ではダウの大幅安後の買い戻しの動きとともに115.04レベルまで下押しし、若干戻しての引けとなりました。

ユーロドルは米露会談を前に売りが先行し一時1.1285レベルの安値をつけましたが、ユーロクロスの買いとともに日計り組の買い戻しも入り、米露間の協議は今後も継続されることかほぼ下げ始める前の水準へと戻す行って来いとなりました。ユーロ円は株安の動きに押され一時130.16レベルの安値をつけましたが、こちらも引けにかけてはやや買い戻される動きとなりました。

ウクライナをめぐる問題は簡単に双方が合意する展開とはならなそうですが、協議が続けられる限りは懸念材料程度で収まる話だとは思います。実際にロシアが武力行使をすることになれば急激なリスクオフ相場になるでしょうが、今の所は双方とも大きな問題にしないように落とし所を探っている段階です。

それよりも昨日も出ていましたが、今年の利上げ回数が3回から4回へと増える見通しやFRBバランンスシートの縮小タイミングが前倒しとなる見通しなど米国の金融正常化のペースが速まる思惑が強まっていて、このことは株式市場にとって悪材料となります。ダウも史上最高値更新で達成感も出たところに、こうした思惑が強まっていますので明日の米国CPIの結果次第では一段とタカ派思惑へと傾いてくる可能性があります。

本日も株式市場を見ながらドル円とユーロ円は戻り売りを探る流れ、ユーロドルもユーロ円とともに戻り売りとなりそうですから、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  114.95〜115.45
 ユーロ  1.1310〜1.1360
 ユーロ円 130.30〜130.90



配信日:2022年1月11日