デイリーレポート(2021年12月20日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

金曜のドル円は売りが先行した日経平均株価とともに上値が重たい流れが続き、NY市場前場には一時113.56レベルと週間安値をつけました。後場にはユーロドルの下げによるドル買いの動きから週末前のポジション調整も入り東京朝方の水準へと行って来いの動きで引けました。日銀会合は注目度も低かったのですが、特に反応は見られませんでした。

ユーロドルはNY市場まではやや上昇後に下げる動きとはなったものの積極的な取引は手控えられ動意薄の展開が続きました。NY市場に入り欧州市場で感染が拡大するオミクロン株が行動制限となり景気減速懸念によるユーロ売りの動きとなりました。引けにかけては1.1235レベルの安値をつけ安値引けとなりました。

先週は木曜に買いが強まった株式市場の動きとともにドル円も円安に動きましたが114円台前半で反落し、週末に向けては株式市場に売りが広がったことでドル円、ユーロ円での下げが目立つ展開となりました。特に欧州での感染拡大を嫌気してゆ¥ユーロ売りが強まったことからユーロ円は127.70レベルの安値引けとなっています・

オミクロン株への評価は当初警戒、その後楽観となり、直近では感染者が急拡大していることやブレークスルーが増えつつあることから改めて警戒感が広がっている段階です。事実だけを見ているとワクチンが効いて重症化が少ないというよりもオミクロン株自体が重症化しにくい変異株と見た方がよさそうですが、更なる変異の可能性を考えるとしばらくはあまり楽観的になれないというのが現在の欧州の状況だと言えそうです。

そうなるとユーロは改めて上値が重くなり、ユーロ円の売りがドル円の上値も抑えてくるという展開が週初の動きとなってくるでしょう。株式市場の上値が重くなってくるとその傾向がさらに強まりますので、株式市場の動きを見ながら3主要通貨ペアともに戻り売りを考える流れです。

本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  113.30〜113.75
 ユーロ  1.1215〜1.1260
 ユーロ円 127.25〜127.80



配信日:2021年12月20日