デイリーレポート(2021年12月16日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はFOMCを前に思いのほか短期筋のドル売りポジションが残っていた様子でポジション調整と思われるドル買いが続きました。日経平均・先物が底堅い動きとなっていたこともドル円、クロス円での円売り要因となりました。

注目のFOMCは予想通りテーパリングを加速させ来年6月末から3月末で終了、また金利見通しは2022年中に3回の利上げと予想よりも1回多い利上げという結果になりました。このことから為替市場ではドル買いで反応、その後株式市場では想定内と、毎度のことですが株高に都合の良い解釈となり、米国株が上昇、そのため引けにかけてはドル円、クロス円で円売りが加速することとなりました。

ユーロドルはNY市場までは動かず、FOMC後はドル買いの動きからユーロドルも1.1222レベルまで下げましたが、ユーロ円が大きく上昇する動きとともに1.1299レベルへと反転上昇しての引けとなりました。

FOMCの結果については想定通りということ、また議長会見の発言にもあった通り利上げはテーパリング後ということで、実際の利上げについては今後のインフレ率をはじめとする各種経済指標や新型コロナの感染状況等もみながら判断していくこととなるでしょう。

ただ、間違いなく利上げ路線に進んでいく中で昨夜の株高はやや違和感が残ります。ポジション調整というよりも新たな買いという印象ですから、短期的な動きであるとすると年末前に売りが出てくる可能性もありそうです。

今夜は英中銀MPC、ECB理事会と続きますがECB理事会では一時的な緩和拡大があるのかどうかが注目点となり、実際に緩和に動けば高止まりしているユーロドルやユーロ円に売りが入りやすくなります。まだまだ注意なので、今日も予想レンジは書かないでおきます。



配信日:2021年12月16日