デイリーレポート(2021年12月13日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場から欧州市場昼頃までは米金利上昇とともにドルが買い戻される流れが続きましたが、前日高値を超えられなかったことから上値が重くなりました。NY市場に入り発表されたCPIは予想通りだったものの前日にバイデン大統領が高めの数字を示唆する発言をしていたこともあってドル売りに動きました。NY昼前に113.22レベルまで押したものの週末を前に若干買い戻されての引けとなりました。
ユーロドルはドル円とドルの動きとしては同様でNY市場まではドル高・ユーロ安、CPI後はドル安の流れからユーロドルの買い戻しとなりました。CPI後の反応の時間差から一時的にユーロ円の売りとなりましたが、すぐに戻しドルの相場となった一日でした。

今週はFOMCを中心に主要国の金融政策会合が続きますので、その前の思惑の動きが出る可能性はあるものの積極的には取引をしにくい流れが続きそうです。ただFRBのテーパリング加速は織り込まれているため、可能性は低いもののテーパリングに言及が無かった場合は金利低下、ドル売りという展開になりそうです。

またECBはPEPP(緊急購入枠)延長といった言及があるかどうか、英中銀MPCでは利上げに賛成する委員が増えるかどうかといったあたりが注目点ですが、新型コロナ感染者が増える欧州では米国の金融政策との温度差が目立つ結果となり、サプライズが無ければドル買い(欧州通貨売り)に動きやすいと言えそうです。

日銀会合は蚊帳の外といった感じですから、15日のFOMC・16日のMPCとECBと両日に注目が集まり週前半は様子見姿勢が強まると見られます。本日も基本的に様子見もみあいになると見て、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  113.25〜113.70
 ユーロ  1.1290〜1.1330
 ユーロ円 128.15〜128.60



配信日:2021年12月13日