デイリーレポート(2021年12月6日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

金曜のドル円は東京市場では株価に歩調を揃えて早朝に若干押したもののそれ以降は株高とともにじり高の展開を辿り、113円割れの水準から113円台半ばへと上昇して米国の雇用統計待ちとなりました。NFPが21万人と予想を大きく下回ったことで売りが先行しましたが、失業率は4.2%と大幅改善したこともあり、一時113.61レベルの高値をつけました。しかし、オミクロン株への警戒感も強く週末を前に株式市場に売りが入るとドル円も112.56レベルまで下押しし、引けにかけては若干戻す動きとなりました。

ユーロドルはユーロ円がドル円と同様の動きをしていたこともあって、終日動きは鈍いままでした。米国雇用統計後にドルの動きに沿って上下の動きは見られたものの値幅は限定的で終日のレンジも67pipsに留まりました。

オミクロン株への警戒感は強いものの新たなニュースは特に無く、依然として各国での感染拡大と人の移動制限が続いている状況に変化はありません。クリスマス商戦を前に景気減速は避けられないとの見通しも強く、株式市場を中心としたリスクオフ懸念は残ったままです。

いっぽうで米国の金融政策はテーパリングの加速と早期利上げのコースがFRB関係者にもコンセンサスとなってきていることから12月15日FOMCに向けてのサプライズは特に無さそうです。オミクロン株の感染拡大が深刻化した場合にのみテーパリング加速が取り下げられる可能性があるという程度でしょうか。

今週もオミクロン株の状況が株式市場に影響を与え、それが為替市場特に円関連でのリスクオフとその巻き返しとしての動きに繋がりやすい状況は変化がないものと見られます。本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  112.70〜113.30
 ユーロ  1.1260〜1.1315
 ユーロ円 127.30〜127.90



配信日:2021年12月6日