デイリーレポート(2021年12月2日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場まで若干買い戻しが出てはいたものの目立った動きとはなりませんでした。NY市場に入りパウエルFRB議長は改めてインフレへの対処、テーパリングの加速に言及したものの動きは鈍く、米国でもオミクロン株感染者が見つかったことに反応した株安に引っ張られて引けにかけて前日安値に近づく動きとなりました。

ユーロドルは終日細かい上下は見られたものの方向感は出ず、1.1330レベルを中心としたもみあいが続きました。いっぽうユーロ円はNY市場でのドル円の下げ以上にリスクオフの売りが強まり。127.57レベルと月曜安値に近づいての引けとなっていました。

パウエル議長は今週の議会証言でインフレに対してこれまでの一時的という表現をやめ、テーパリングの加速を示したことで、これまでより3か月早く来年ん3月でテーパリング終了、いつでも利上げに踏み切れる対応を12月のFOMCで決めることとなりそうですが、現時点ではオミクロン株への警戒感の方が圧倒的に強く、市場の反応は限定的です。

ただオミクロン株自体まだわからないことのほうが多くリスクオフの動きもいったん収まっている段階です。今後感染が拡大することは確実でしょうが、そこで実際に出てくる事実を見極めた上でとなると、あと数週間は積極的には動きづらいことになります。ただ、人の移動制限は各国で実施されていることから、景気減速につながることは避けられず、株安によりリスクオフがしばらくは金融市場のテーマとなってきます。

本日も為替市場は円関連は基本戻り売り、ユーロドルはもみあいというところでしょうから、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  112.70〜113.30
 ユーロ  1.1300〜1.1350
 ユーロ円 127.50〜128.25



配信日:2021年12月2日