デイリーレポート(2019年9月9日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場までは107円を挟んでの小動きに終止していました。雇用統計が予想よりも弱かったことから一時106.63レベルまで水準を下げましたが、前日までのドル買い戻しの動きから押し目買いも目立ち、引けにかけては107円近くまで戻しての週末クローズ。いっぽうユーロドルは、目立った材料が無い中で東京市場ではじり高、欧州市場序盤はじり安となっていました。その後、欧州市場では弱めのドイツ経済指標に反応しドイツ金利が低下する動きとともにユーロはじり安が続きました。NY市場までは市場では雇用統計語のドル売りとともに反転しましたが、引けにかけては改めてユーロ売りが強まり、安値圏に近づいていの引けとなりました。

ドル円は米国雇用統計で一時的に押しは入ったものの、引けにかけての買い戻しの動きは強く、先週半ば以降のドル買いの勢いが衰えてはいないという週末クローズとなりました。問題はここからですが、米中協議は10月へと先送りされていますし、パウエル議長の講演内容からは来週のFOMCでの利下げはたぶんありそうだという程度の内容で、今週は来週に向けての思惑でどの程度動くかというところでしょう。107円台も半ばを超えていくほどの材料も無くこれまでのレンジが50銭程度上がったかという見方です。本日は107.15レベルをレジスタンスに106.70レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは今週のECB理事会に向けて市場参加者は緩和への回帰の思惑がかなり高まっていますので、もし緩和が思ったほどではないといった思惑が出てくればユーロ買いが出やすくなり、これまで同様の流れが続けばある程度は織り込まれているという状況です。また英国では議会閉会を前にして、保守党からの辞任が続き、英国議会は離脱延期が賛成多数であるものの、EU側は現状でのこれ以上の延期は認めないという方向に流れてきています。ジョンソン首相も再開後のEUサミットで離脱延長を求めないとするなど、依然として合意なき離脱の可能性が高く、ポンド売りがユーロの上値を抑えやすいと言えます。ユーロは基本的に戻り売りの流れで、ユーロドルが1.0990〜1.1040、ユーロ円は117.40〜118.05とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf



配信日:2019年9月9日