デイリーレポート(2019年9月6日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は米中通商協議が10月に開催されるとの発表を材料に株高、円安とリスクオンの動きとなりました。欧州市場序盤にはいったん下押しする場面も見られましたが、NYを市場では経済指標が軒並み強い数字となったことから、ストップも巻き込みながら一時107.23レベルの高値をつけました。引けにかけては、107円挟みでのもみあいとなりました。いっぽうユーロドルは、東京市場では動きが鈍かったものの欧州市場に入り前日からの英国議会の動きを好感したポンド買いがユーロにも波及、ユーロ円もリスクオンの動きが買いが目立ち、一時1.1085レベルをつけました、しかし、NY市場ではドル買いの動きへと戻り引けにかけては1.10台前半へと押しています。

ドル円は、米中協議の日程が決まっただけで、そこまでリスクオンで動けるのかというのが過去の経緯からすると疑問ですが、107円をつけたことから8月13日高値を上抜け、目先の底打ち感が出てきました。ただ、9月ではなく10月開催となった理由が10月1日の中国建国70年を前に再協議決裂を避けたいという意思が働いているのは確かですから、10月の協議がまとまる保証もありませんし、合意に落とし込むまでは安心できないのは今までとおりです。ただ、107円に乗せたということからテクニカルには売りにくくなっていますので、ドル安を見込むのはいったんやめざるを得ません。当面はどこまで戻すのかを見極めた上で、新たな売り場を探すこととなるでしょう。本日は106.80レベルをサポートに107.30レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

ユーロドルはポンドの一段高とともに上昇しましたが、来週にはECB理事会も控えていますので買いが一巡したところでは改めて売りたいと考える参加者もまだ多そうです。また英国議会の決定でジョンソン首相も離脱強行はできなくなりますので、次ははEUから修正案が出てくるのか、出ずに合意も出来ない場合の離脱延期を認めるのか、英国議会閉会後のボールはEU側にあり、どのように返ってくるのかそれを見るまではポンドも安心して買い継続とはいかないでしょう。ユーロは京は基本的にもみあいを継続しそうですが、引続きポンドを見ながらとなります。ユーロドルが1.1010〜60、ユーロ円は117.75〜118.40とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf

月足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Monthly.pdf



配信日:2019年9月6日