デイリーレポート(2019年9月5日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では動きが鈍かったものの欧州市場序盤に香港で条例撤回のニュースが流れるとそれをきっかけにリスクオンの動きとなり、株高と円安への方向が出ました。その後のNY市場では英国議会で合意無き離脱はしないという前日の動議が可決される一方で、首相の総選挙実施動議は否決され、この動きもリスクオフの巻き返しで円売りの動きとなりました。NY後場には106.45レベルまで水準を上げ高値引けとなりました。いっぽうユーロドルは、欧州市場序盤は香港のニュースでユーロ円の買いがリードしてのユーロ高、その後は英国議会の動きを受けたポンド買い戻しに引っ張られてのユーロ買いの動きとなりました。ユーロドルも1.1038レベルまで買い戻されての高値引け。

ドル円はリスクオフの巻き返しでだいぶ水準が上がった感はあるものの、106円台半ばから後半はこれまで何度も振り落とされてきた水準であり、現状でも戻り売りが出やすい水準です。香港の条例撤回はよいとしても英国議会での決定はメイ首相の頃と何も変わらず、EU側から修正案が出ればという可能性に期待するしかありません。来週からは閉会になりますし、もし期限延期が無ければ合意無き離脱となってしまう可能性も低くはありません。安心してリスクオフの巻き返しの流れに乗っていると、いつハシゴを外されるかわからないということにだけは注意が必要です。本日のドル円は絶好の戻り売りタイミングと見て、106.50レベルをレジスタンスに106.00レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはユーロ円の買い戻しで上げ、ポンドドルの買い戻しで上げと、これまでのECB理事会に向けてのユーロ売りポジションに調整が入った動きと言えますが、1.10の大台を回復してきたことで改めて売りたい向きも出てきそうです。ECB理事会に向けて1.10台半ばでの売りはそれほどリスクが大きいとも思えませんので戻り売りを考えたいところです。ユーロドルは1.1000〜1.1050、ユーロ円は117.00〜117.70とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf

月足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Monthly.pdf



配信日:2019年9月5日