デイリーレポート(2021年10月29日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日の114円台での上値の重さもあって東京市場では引き続き上値が抑えられ、売りが先行してのスタートとなりました。ラガルド総裁会見までは113.60レベルで動意薄の流れが続きましたが、ユーロが大きく上昇する動きとともにドル円は113.26レベルの安値を示現。引けにかけてはユーロ円の買いがドル円でも買い戻しにつながっていました。

ユーロドルはECB理事会直後までは週初からの安値圏でのもみあいを続けていましたが、ラガルドECB総裁が高止まりするインフレが予想より長く続くと発言したことをきっかけにユーロ買いで反応。金融政策に関する発言は言われているほどタカ派とは思いませんが、もみあいを上抜けたことでテクニカルな買いも出ていたようです。NY昼前に1.1692レベルの高値を見て若干押しての引けとなりました。

ドル円は直近安値は下回ったものの、ユーロ円の回も手伝って113円台前半の買いがしつこくECB理事会前の水準へと戻しました。ここから上、昨日の東京全が水準では売りも出てくると見られ、ドル円は結局は下がったら買い、上がったら売りの動きを続ける中で日々ややその水準を変えている程度というところです。

ユーロドルはラガルド総裁の経済が順調であることとインフレ高止まりの発言に加え、全体的にタカ派と取られたようですが、PEPPは予定通り2022年3月まで、通常の購入はこれまで通りです。金融政策に関してはタカ派とは思えず、景気とインフレが今後の政策に影響を与えるのかどうかという点では、今回の発言だけで緩和縮小につながるとも思えません。その意味では今回よりも12月理事会の方が重要度は高いでしょう。急激に上昇hした反動もあって本日はユーロは売り目線です。

本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  113.40〜113.80
 ユーロ  1.1650〜1.1695
 ユーロ円 132.40〜132.90



配信日:2021年10月29日