デイリーレポート(2019年9月4日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は株式市場の日経平均株価、海外市場では先物の上下に沿った動きを続けましたが、株価はほぼ横ばいだったもののドル円は着実に上値を切り下げました。NY市場では弱い経済指標に反応しドル全般に売りが入り、105.74レベルまで下押し後にやや戻しての引けとなりました。いっぽうユーロドルは、東京前場に前日安値を下回ると仕掛け売りも加わる流れでスタート。その後も12日にECB理事会での緩和思惑が上値を抑え、ポンド売りとともに一時1.0928レベルの安値をつけました。NY市場ではドル売りの動きとポンド買い戻しにも引っ張られて高値圏での引けとなりました。

なお、ポンドは昨日から英国議会が再開し、不透明感から一時1.1959レベルの安値をつけましたが、保守党議員の離党もあり合意無き離脱を阻止する法案が通るという思惑もあって買い戻しが強まって引けました。NY引け直後に同法案は可決しましたが、それに対してジョンソン首相は総選挙実施の動議を提案、本日の議会の状況に注目が集まります。

ドル円は、105円台では相変わらずドル買いがいる様子で昨日も安値圏ではすぐに反発する動きとなっていましたが、それ以上に高値を切り下げる動きのほうが目立った印象です。あまり大口の買いに安心していると、下抜けた時のストップのほうが大きくなりそうですし、トレンド的にはいまだ戻り売りが有効です。本日は、106.10レベルをレジスタンスに105.70レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはポンドの下げとその後の買い戻しが昨日は一番効いていましたが、12日のECB理事会では徐々に大規模緩和思惑が広がってきています。実際にどうなるかはまだ何とも言えませんが、小出しにするよりも一気に複数の緩和策を行ったほうが効果はありますので、可能性としては思いの外高いかもしれません。また昨日から再開した英国議会も会期が残り僅かとなりますが、総選挙の実施があるのかどうか、本日はそのあたりが注目材料となってきます。思いの外、安値からの買い戻しが強かったこともあって、本日は戻り売りが出やすいでしょう。ユーロドルは1.0935〜1.0990、ユーロ円は115.90〜116.50とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

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配信日:2019年9月4日