デイリーレポート(2019年9月3日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

月初のドル円は米中双方の追加関税スタートを嫌気して早朝相場では売りが先行しましたが、その後は米国市場が休場となることもあって東京の昼頃には週末終値を回復しました。欧州市場では欧州通貨安によるドル買いも出てドル円はじり高となったもののNY時間に米中協議再開が難航しているとのニュースに106円目前まで下押し後、やや戻して引けましたが値幅は狭く海外市場は動意薄のままでした。いっぽうユーロドルは東京市場では動きはなかったものの、ジョンソン英首相がブレグジット延期の場合は解散総選挙もと述べたことをきっかけにポンド安、その動きがユーロにも波及しました。一時安値をわずかに更新したものの、その後は安値圏でのもみあいのまま引けました。

ドル円は予定されていたとはいえ、1日から始まった対中制裁関税第4弾の一部発動とそれに対応した中国の追加関税ということで、本来ならば早朝の動きのほうがしっくりときます。その後の売られる前よりも上の水準に戻す動きは無理矢理といった感もありますし、中国のWTO提訴、協議再開の難航と、とても楽観的にはなれない状況と言えます。106円台半ばは依然として強いレジスタンスで戻り売りの絶好の水準と見ています。本日は106.40レベルをレジスタンスに105.95レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは前日安値をわずかに下回り、連日の2017年5月以来の安値となっていますが、こうなってくると1.10の大台が遠く見えてきます。英国ではジョンソン首相と議会との攻防がいよいよ本日再開する議会で始まりますが、果たして8月下旬のメルケル首相との会談の際に出た修正案でまとまるのか、閉会に反発して不信任案が出されるのか、あるいは昨夕飛び出た総選挙となるのか、何でもありの状況になってきましたので、まずは本日の議会の状況を見たいというところです。ただいずれにしても目先はポンドもユーロも上値が重くなってくるでしょう。ユーロドルは1.0935〜1.0985、ユーロ円は116.15〜116.65とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

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月足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Monthly.pdf



配信日:2019年9月3日