デイリーレポート(2021年10月13日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日本文のみの更新となります。

昨日も円安の流れが止まらずNY市場序盤には113.79レベルと2018年高値114.55レベルに着実に近づく動きとなりました。東京市場では底堅い動きで始まったものの日経先物が現物引け後に下げる動きとともに113.00レベルまで下押ししましたが下げきれず、欧州市場では株価の回復とともに再び上昇に転じ、弱いドイツの経済指標に反応してのユーロ売りとともにドル高が続くこととなりました。

すでに先週の安値110.83レベルから3円の円安となりましたが、金曜雇用統計後の売りで買い遅れ、月曜は米国が祝日だったこともあってさらに買い遅れと、時実需もインターバンク勢も112円台はあまり買えていないという状況が続いたと思われます。

そうした中で値頃感による売り手のストップオーダーや一部輸入業者のドルコール(買い)オプションがノックアウトされたという話も聞こえてきます。これは、本来ドルを買う権利だが一定以上のドル高が進むと権利を失うオプションで、プレミアム(オプション料)を安くできるものですが、112.50レベル、113.00レベルにそうしたノックアウトがあった可能性があります。

こうなるとスピードオーバー、高所恐怖症とは言ってられず、押し目があるならばドル買いをしなくてはならないという実需筋が今後の下げを限定的なものとしてくるように思えます。

それでも個人的には113円台ではドルは買いたくありません。もちろんトレンドに逆らってのドル売りはしませんが、せめて112円台後半での押し目買いを待ちたいところです。ユーロドルも安値を更新する動きとなったことで円独歩安からドル全面高へと変化しつつありますが、深追いはしないでおきます。

本日は期待も込めてではあるものの、多少の調整を考えて以下のレンジを見ておくこととします。
 ドル円  112.90〜113.60
 ユーロ  1.1525〜1.1575
 ユーロ円 130.75〜131.25



配信日:2021年10月13日