RE: デイリーレポート(2021年10月11日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は米金利がじり高の動きとなる中欧州市場序盤までじり高の展開となりました。しかし、高値が111.99レベルと112円をつけられなかったことから雇用統計に向けて反落、雇用統計も失業率は4.8%と大幅改善したもののNFPが19.4万人と予想を大きく下回ったことに反応し初動はドル売り、111.51レベルの安値をつけました。下値も111.50レベルをつけられなかったことや悪かったのはNFPのみだったということもあり、その後は改めてドル買いに動き米金利上昇とともに112円を上抜け、112.25レベルの高値をつけ、高値圏での週末クローズとなりました。

ユーロドルは東京市場では若干上値が重い程度で目立った動きはありませんでしたが、欧州市場に入ってからのドル売りの動きでユーロ買いに動き、NY市場では雇用統計直後はドル売りによるユーロ買い、その後はユーロ円でのユーロ買いも重なって底堅い地合いで引けましたが、値動きは鈍いままでの引けとなりました。

ドル円は欧州市場序盤に112円トライを失敗したこと、雇用統計後の初動がドル売りだったことと、その後のドル買い戻しを強める準備は整っていたと考えられ、112円を上抜けると昨年コロナショック前高値の112.23レベルも上抜け2019年4月以来の水準を見ています。現状は2019年4月高値の112.40レベルを視野に入れていますが、それほど距離も離れていないことから今週中にトライし、更なるターゲットとして2018年高値114.54レベルという話題が出てくるでしょうが、こちらはさすがに距離もありますし、ここに至るまでにドル買いも積み上がってきていることから、昨年高値更新後は利食いが広がり下押しという動きになりそうです。

その時のユーロはユーロ円も買われてユーロドルは横ばいか、あるいはドルの動きとしてユーロドルは下げるのか、なかなか悩ましいところですが、ユーロ円も中率良い試合となってきていることから、ユーロ円も上昇してという動きになってくる可能性が高そうです。

本日はややドル円が底堅い動きを考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  112.10〜112.50
 ユーロ  1.1555〜1.1595
 ユーロ円 129.80〜130.30



配信日:2021年10月11日