デイリーレポート(2019年9月2日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

月末のドル円は106円台前半で静かな動きが続きました。105円台半ばから後半にかけては大口のドル買いが見える一方で、米中双方の報復関税が9月1日から発動されることに対する懸念もあり、前週同様に106円台半ばから上には売りオーダーが控えている様子で、終日若干上値が重たい値動きとなりました。いっぽうユーロドルは月末も年初来安値を緩やかに更新する動きが続いていましたが、ロンドンフィキシングで大口のユーロ売りが出て、ストップロスも巻き込みながら1.0963レベルの安値をつけました、トランプ大統領がユーロ安を見て牽制発言をしたこともあり、引けにかけては1.10の大台近くまで戻しての月末クローズとなりました。

ドル円は週明けは米中双方の報復関税発動を嫌気して、ややギャップダウンして始まっていますが、先週初のような急速な買い戻しにはつながらないものと見ています。米中協議が再開しても合意する保証はありませんし、少なくとも関税の影響は日々積み重なっていきます。しつこいですが、合意の2文字を見るまでは全くリスクオンに動く気にはなれませんし、その程度の期待で反応した先週のツケが時間差で出てくるリスクにこそ注意が必要でしょう。本日も戻り売り、106.25レベルをレジスタンスに105.70レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは月末実需とストップとで1.09代なかばへと2017年5月以来の安値をつけています。9月ECB理事会に向けて緩和政策への回帰がユーロの上値を抑えるとともに、ブレグジット問題、イタリアの新連立への動きなど不透明な材料が多いことも売り材料となっています。ただ、久しぶりにトランプ大統領がユーロ安に対しての牽制発言をしていますので、よく見ているなと多少は敬意を払って今日のところは新安値更新までは行かないように思えます。ただ当然戻り売りが湧いてくるでしょうから、ユーロドルは1.0970〜1.1020、ユーロ円はドル円での円買いの影響が大きいため116.25〜116.85とします。

レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf

月足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Monthly.pdf



配信日:2019年9月2日