デイリーレポート(2021年10月1日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は四半期末で動きが鈍ったこともあって東京から欧州市場まで111円台後半の狭い値幅で高値もみあいを続けました。NY市場が始まる前に112.08レベルと僅かに高値を切り上げましたが、昨年高値をトライできなかったことから利食い売り、実需のドル売りと続き、ダウが大幅安となったことからリスクオフの円買いが強まりました。引けにかけて111.24レベルの安値をつけ安値引けとなりました。

ユーロドルは欧州市場前場まで動きが鈍く1.16前後のぜまい値幅でのもみあいを続けていました。欧州昼前にユーロポンドの実需売りが出たことをきっかけにユーロドルも下げ、前日安値を割り込むとNY市場ではユーロ円の売りが強まったこともあって1.1563レベルまで水準を下げ、若干戻しての月末クローズとなりました。

ドル円は昨年高値更新はお預けとなりましたが、112円台では実需のドル売りが出ていたことに加え、米国株が大幅安となったことで短期的には上値が重くなりやすく、新高値は来週以降に持ち越しとなりました。ただ昨日は株安だけでなくドル建て金も大幅高と典型的なリスクオフ相場となりました。ダウは先週の下げは戻しましたが、月末に改めて下げたことで本日と来週末の水準次第では中期的な下降トレンドに入る可能性もあり、しばらくはドル円も上値トライには警戒的にならざるを得ないでしょう。

ユーロドルはドイツの連立が年内に組める可能性は低く、また金融政策面でもECBのテーパリング議論は12月からと材料的にユーロ売り材料が多い上に、テクニカルにも長期的な反転パターンを形成し、まずは1.15割れを試しやすい状況です。そうなると、3主要通貨ペアとも本日も戻り売りを考えることとなりそうということで、以下のレンジを見ておきます。

 ドル円  111.10〜112.60
 ユーロ  1.1535〜1.1585
 ユーロ円 128.40〜129.05



配信日:2021年10月1日