デイリーレポート(2019年8月30日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では上値が重たい地合いが続いていたものの、欧州市場序盤に中国が9月に訪米して協議するとの発言が伝わり、それをきっかけに株式市場が上昇、ドル円もドル買いが強まりました。NY市場ではトランプ大統領も通商協議再開に言及し株式市場とともにドル円は一段高、一時106.68レベルの高値をつけ若干押して引けました。
いっぽうユーロドルはNY市場までは上値の重たい流れとなっていましたが、オランダ中銀相殺がQE再開は不要と発言し一時的に買いが強まりました。しかし、すぐに元の水準へと押し、その後はドル円同様にドル買いの動きとユーロ買いの反動から1.1042レベルまで下値を広げ、やや戻して引けています。

ドル円は前日に105円台半ばで大口の買いが見えていたこともありますが、ドル買い戻しが進みました。米中双方とも9月の協議再開に言及しましたが、実際に合意するかどうかは蓋をあけてみなければわかりません。これまで何度も物別れに終わってきた経緯を考えるとさすがに落とし所を見つけそうと思う反面、合意するまでは全く安心できないという気持ちのほうが強いです。日柄的には本日前後はドル買いが強まりやすいのですが、9月第1週は逆に日柄的に反落する可能性があります。テクニカルにも106円台前半から半ばにかけては戻り売りが出やすい水準です。本日hあ106.65レベルをレジスタンスに106.15レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは9月のECB理事会に向けて緩和回帰の発言が目立つ中、珍しく理事会メンバーのオランダ中銀相殺からタカ派な発言で飛び出たことで買いとなりましたが、逆にこのにわか買いがその後の反落を招きやすくした面もあります。ユーロは本日も戻り売りが出やすいと見て、ユーロドルが1.1025〜65、ユーロ円は117.25〜80とします。

レポート全文は www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf



配信日:2019年8月30日