デイリーレポート(2019年8月28日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

前日のドル円が急落後の急反騰と激しい動きをしたこともあって昨日の為替相場はドル円を中心に様子見姿勢が強まりました。米中間の協議再開は好材料ではあるものの、これまでも繰り返し協議再開と決裂を繰り返してきたことを考えると、今回も可能性だけで楽観的になることは出来ませんし、9月からは制裁関税第4弾も一部スタートします。米国債券市場では利下げ催促相場の様相を呈していて逆イールドで落ち着いている始末です。株式市場は利下げを好材料としますが、為替市場では素直に金利差縮小のドル売り要因としていますので、当面はドルの上値が重たくなる展開が続くと考えざるを得ません。

ユーロドルも昨日は目立った動きはありませんでした。NY市場まではドル円同様の動の上値が重たい流れからユーロドルも底堅い動きとなっていましたが、デギンドスECB副総裁が低金利長期化の見解を示したことで、ユーロ売りに転じ、値幅は伴わないもののユーロ売り地合いでNYを引けています。

ドル円は昨日指摘して早朝安値と9時以降安値のダイバージェンスもありますし、冒頭に書いた米金利低下、そしていまだ何も解決はしていない米中貿易摩擦の問題が当面はドルの上値を重たくしてくると考えられます。本日も基本は戻り売り、105.90レベルをレジスタンスに105.30レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはユーロ売り要因とドル売り要因がぶつかって相殺する方向ではありますが、リスクオフの動きが再開する時にはユーロ円がリードしてのユーロ売りとなりやすいと言えます。また、昨日のECB副総裁の講演からも9月は米国よりも先に再び緩和の動きとなるでしょうから、もみあいの場合でも上値は抑えられやすい流れが続きそうです。本日はユーロドルはやや上値の重たいもみあいを考え1.1065〜1.1111、ユーロ円は戻り売りスタンスで116.90〜117.50とします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートはこちら http://www.ascendant.jp/Weekly.pdf



配信日:2019年8月28日