デイリーレポート(2019年8月27日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は米中貿易摩擦が激化、トランプ大統領が中国への脅しとは思えるものの米国製造業の中国からのシフトにまで言及したことを受け、早朝に104円台前半と年初来安値を更新しました。しかし、本邦実需筋のドル買いが目立ち、仲値時点では105円台を回復、中国側から冷静な交渉の提案もあり昼前に105円台後半を見ました。後場には一時的に下押しも入ったものの底堅く、海外市場でもトランプ大統領が中国から協議再開の要望との発言も加わってリスクオフの巻き返しからNY前場には106円台前半まで買い戻されましたが、その後は様子見のもみあいのまま引けました。いっぽうユーロドルは、基本的にドル円のドル買いの動きに追随し終日ユーロ売りが目立つこととなりましたが、ユーロ円も利息オフの巻き返しが進んだため、下げ幅自体は限定的なものとなりました。

ドル円はトランプ大統領の発言に振り回されていますが、米国の思い通りに合意したいトランプ大統領と、そこまでは譲歩できない中国側とのせめぎあいに妥協点が見つからない限り何も安心できる材料は無く、協議再開に対する期待だけで昨日のようなリスクオフの巻き返しに動くほうが無理があると考えられます。おそらく105円割れを見たことで、当局と息の合った実需買いや機関投資家の買いオーダーが出たと思えますし、ギャップダウン後のギャップ埋めでテクニカルにも典型的な買いパターンになったと言えます。

しかし、テクニカルには昨日も指摘した通り、早朝安値と9時以降安値にダイバージェンスが発生していますので、9時以降の市場で104円台前半を見に行く動きがすぐかどうかはわからなくなりましたが、やってくる可能性はほぼ100%と考えておいたほうがよいです。そういう意味では先週末に下げる前の水準となる106円台は絶好の戻り売りと言えるでしょう。本日は106.10レベルをレジスタンスに、105.40レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは、ドル円が再び下げる可能性があることからドル売りユーロ買いの面とユーロ円の売りとで相殺し今日のところはもみあいとなりやすいと言えます。ユーロ円はドル円と同様に早朝高値の可能性が高いでしょう。ユーロドルが1.1080〜1.1125、ユーロ円は117.10〜80とします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートはこちら http://www.ascendant.jp/Weekly.pdf



配信日:2019年8月27日