デイリーレポート(2021年8月27日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は昨日も米金利に沿った動きとなり、東京市場では上値が重く欧州市場早朝に米金利が上昇すると、前日高値を超え110.22レベルまで上昇。その後も多少の上下を挟みNY前場には地区連銀総裁のタカ派発言が続いたことから110.23レベルの高値をつけました。しかし本日のパウエルFRB議長講演を前に大きな動きは出ず、終日のレンジも30銭に留まりました。

ユーロドルも動きは鈍く東京市場ではほとんど動きが見られませんでした。欧州市場に入りドル買いの動きから軽い押しを挟んだ後に1.1779レベルと週間高値を更新しましたが上値も重く、1.1746レベルへと下押し後にもみあいのまま引けました。

本日のジャクソンホールでパウエル議長がタカ派の発言をするとは思えませんが、警戒感はあるようで米金利上昇とドル買いという動きの1日でした。講演のテーマが経済見通しであることから金融政策には触れないか、これまでのハト派な発言を繰り返すことで9月FOMC前の経済指標を見てという流れを作っていく可能性が高いと思われます。

FRB議長の立場や過去のパウエル議長の発言を考えると、ここで市場参加者の行動を変えさせるような発言は望まないでしょうし、タカ派な発言で株式市場が下げる動きにも警戒するでしょう。9月のFOMCでテーパリングの議論を行い早ければ10月から、ただこの可能性は低いと思いますので、本命は11月FOMCまで引っ張ってその間に市場に対して十分な周知を行うという線ではないかと思います。

本日はNY朝方まではほとんど動きが出ず、パウエル議長の講演内容を見た上で週末前のポジション調整が入るというところです。講演内容を見る前に下手に動くことはせず待ちたいと思いますので、今日はレンジの目安も書かないでおきます。



配信日:2021年8月27日