デイリーレポート(2019年8月26日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

には106.73レベルの高値をつけました。パウエルFRB議長講演は利下げを意識した内容だったものの想定範囲内でしたが、中国が米国の制裁関税に対して報復関税、さらにトランプ大統領がその対応を午後発表と米中貿易摩擦一段の激化を嫌気してダウが急落、為替市場もリスクオフの円高となり、ドル円は105.26レベルまで水準を切り下げ、上値の重たいままでの引けとなりました。

いっぽうユーロドルは、欧州内の材料もあるものの金曜はほぼドル円と同様の動き、NY市場まではユーロじり安となり、その後のドル安の流れに追随してユーロドルも1.1153レベルまで上昇し高値圏での引け。ただ、ユーロ円も大幅安となっていることから、ユーロの動きはドル円に比べると比較的おとなしかったと言えます。

ドル円は米国がさらに制裁関税を5%上積みすることとなり、これまでに発動分は30%に、今後発動されるものは15%にと報復措置が撮られることとなり、為替操作国に指定されている中国には最大で45%まで関税を引き上げることが可能なことを考えると、ひょっとしたらという危惧があります。トランプ大統領も米企業に中国からの撤退を考えるように発言し、年後半の不安を考えるとリスクオフ姿勢を強めるしか無いというのが現状です。日米通商協議大枠合意というニュースも出ていますが、完全に霞んでしまっています。

また、このレポートで使っているチャートは始値が午前9時で、NYクローズから午前9時までのレートが使われていないことはご存知のとおりですが、前にも書いたように24時間レンジと、当チャートのレンジにダイバージェンスがある場合には、後から必ず付けにいいくという経験則があります。今年1月3日の安値は時間がかかりましたが、本日9時以降に見ることとなりそうですから、9時以降の104.90以下はいったん達成感が出てくるという見方でよいでしょう。ただし、中期的には103.70がターゲットです。本日は、ギャップダウンしていますので、NY安値の手前105.20レベルをレジスタンスに104.30レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはドル円のドル安の流れに沿ったドル売りユーロ買いと、リスクオフによるユーロ円の売りとが相殺しあって、動きが鈍くなりがちです。ただ、今後は一段のドル安懸念があることを考えると、金曜同様にユーロは目先底堅い動きが続きそうです。本日はユーロドルが1.1125〜75、ユーロ円は116.40〜117.20のレンジとします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートはこちら http://www.ascendant.jp/Weekly.pdf



配信日:2019年8月26日