デイリーレポート(2021年8月4日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日同様終日円高の動きが続きました。背景にあるのは米金利の低下と日経平均株価の上値の重さです。NY市場に入ってからはNYダウの下げとともに米金利が1.15%台まで低下したものの、前日の最低利回りは割り込みませんでした。しかし、NY原油も急落したことでリスクオフの動きが強まりドル円は一時108.88レベルの安値をつけ引けにかけて109円台を回復しました。

ユーロドルは欧州市場前場まではドル円と歩調を揃えてドル安の動きとなっていましたが、NY市場前場のドル円の下げがユーロ円の下げも招いて1.1893レベルから1.1853レベルへと下げました。その後はユーロドル、ユーロ円とも上値の重たい流れのまま引けています。

昨夜のNY市場でのダウ急落はすぐに買い戻され、引けにかけては前日の水準へと戻しましたが、原油は急落後の戻しは限定的で岩根が重たいまま引けました。米金利低下はこれまでも見てきましたが、NY原油の2日続けての大幅安はこれまではあまり見なかった動きです。特にニュースがあったわけでは無いものの、デルタ株の感染拡大により、ワクチン接種強化と室内での活動に接種を義務付ける方向性といった話が景気回復の後退思惑を招き、原油の下げにつながっていると考えられます。

株式市場も米国株は月曜までのもみあい水準へと戻しましたが、中国政府が今度はゲーム業界への規制を仄かしたことからテンセント株などが急落。引き続き中国株の動向を気にしながら、同じ時間帯に取引が行われる日経平均株価への影響、そしてドル円でのリスクオフという循環が続きやすい流れです。

そして、ドル円の上値の重さはクロス円にも影響しますので、本日も3主要通貨ペアともに上値の重たい展開を考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  108.75〜109.25
 ユーロ  1.1840〜1.1880
 ユーロ円 129.05〜129.55



配信日:2021年8月4日