デイリーレポート(2019年8月21日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日までのじり高の動きに対して調整の売りが目立ちました。東京市場から上値が重たい中、株式市場の上値が重かったこと、また米金利も低下する動きに沿ってじり安となり、NY市場ではユーロ買いの動きも手伝って106.17レベルまで水準を切り下げ安値圏での引けとなりました。いっぽうユーロドルは上値の重たい展開が続き欧州市場ではブレグジットとイタリア政局を材料にじり安、NY市場の朝方には1.1065レベルの安値を付けました。しかし、メルケル独首相がバックストップの解決について検討、コンテ伊首相の辞任とそれぞれがユーロ買い材料となり、1.11台を回復しての引けとなりました。

ドル円は先週末からのドル買いの動きは、106円台後半で終わり引き続き上値は107円が重たいことを改めて印象づける一日となりましたが、中期的な105〜107円のレンジの中で上限から中心に戻してきただけに過ぎず、方向感が出た訳ではありません。また本日以降に重要イベントが続きますので、よほどの材料が出ない限りは大きな動きも期待できないでしょう。ただ、長期的な流れが円高にある事自体に変化はありませんので、戻り売りスタンスで106.50レベルをレジスタンスに106.00レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはブレグジットの最大懸念であるバックストップ問題について、表向き英国は受け入れられない、欧州は議論の余地なしのスタンスを続けてきましたが、昨日のメルケル首相の発言からすると、水面下では落とし所を見つける作業が始まる可能性が出てきたと言えます。英国にとって好材料でポンド買いからのユーロ買いとなりました。またイタリアではコンテ首相が辞任することで、いよいよ10月総選挙の可能性が高まったと言えますが、昨日は首相演説を前に不透明感からユーロ売りとなっていたこともあって、買い戻しとなりました。これで、ユーロはザラ場チャートではダブルボトムのような動きとなり、1.10の大台トライがいったん遠のいた感があります。ただ、長期的にはユーロも依然として下降トレンドに変化はありません。本日も戻り売りユーロドルが1.1070〜1.1120、ユーロ円は117.70〜118.20とします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートはこちら http://www.ascendant.jp/Weekly.pdf



配信日:2019年8月21日