デイリーレポート(2021年7月26日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

先週は木曜金曜と連休になりましたので、週後半の動きを簡単に振り返っておきます。

ドル円は月曜安値からの買い戻しがその後も続き、週後半は水曜東京市場の109円台後半の水準を安値にじり高、金曜NY市場には110.59レベルの週間高値をつけ、そのまま高値圏での引けとなりました。背景としては米国株式市場が堅調で主要株価指数は軒並み史上最高値を更新、そうした中で日経先物もじり高となりリスクオンによる円安の動きになった流れです。

いっぽうユーロドルは、木曜のECB理事会で緩和スタンスが再確認されるとの思惑から水曜欧州市場序盤までユーロ売りが続き1.1752レベルの安値をつけました。ど水準を安値にECB理事会まではイベント前の買い戻しが目立ち、1.1800間近の水準でのイベント待ち。ECB理事会では予想通りフォワードガイダンスを変更し政策点検の内容を踏襲し、物価の一時的な上振れを容認し、大規模緩和の継続を約束しました。初動はユーロ売りだったものの直後には週間高値となる1.1830レベルへと上伸、さらに1.1757レベルへと反落と荒っぽい動きとなりました。要因は仕掛けとポジション調整と見られますが、金曜にはもみあいながらも上値の重たい展開となり、緩和継続によるユーロ安という見方に落ち着いたと見られます。

連休明けの東京市場は110円台半ばで株式市場の動きを見ながら底堅い動きが先行しそうですが、7月14日高値110.70レベルと7日高値110.82レベルがレジスタンスとなってきます。これらの水準を上抜ければ一段高となりますが、抜けられない場合はいったん利食いの売りに押されやすい展開と言えそうです。

またユーロについては週末の引け具合いを見ていると緩和継続スタンスによるユーロ売りの流れが週初は先行しやすいと考えられますが、ドル円での円安の動きがユーロ円でもみられ、株高の動きが続くようであればユーロ円の上昇がユーロドルの下げを相殺しもみあいになりやすいでしょう。このあたりは週初の株式市場の動きを見たいですが、米国株もいつ利食い売りに押されてもおかしくはありませんので、東京時間でもダウ先の動きには要注意です。

ドル円は底堅いものの7月高値は超えられず、ユーロ円は底堅くユーロドルは横ばいという連休明けの動きを想定し、本日は以下のレンジを示しておきます。
 ドル円  110.35〜110.75
 ユーロ  1.1750〜1.1790
 ユーロ円 129.95〜130.35



配信日:2021年7月26日