デイリーレポート(2021年7月20日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

前週末の株安の影響が残り東京市場のドル円はややドル売りが先行後は買いも出てくる流れでした。欧州市場に入りダウ先に改めて売りが入るとドル円、ユーロ円に売りが広がり、NY市場では米国株が大幅安となる中、リスクオフから米国債に買いが入り、長期金利が低下。ドル円はNY前場に109.06レベルまで売り込まれた後、株価が小幅反発したこともあって109円台半ばに戻して引けました。

ユーロドルも東京市場では動かず、欧州市場ではユーロ円での円買いに引っ張られてのユーロ売りとなりました。欧州株が弱かったこともユーロの上値を抑えましたが、NY市場では米株の下げが大きかったことから一転ドル全面安の動きとなり、1.1825レベルまで反発後に若干押して引けました。

米国では変異株感染者が増えていることを嫌気しての株安が昨日のリスクオフの主犯となりましたが、英国では感染者増でも制限解除に動き、この英国の動きが今度どのようになるかで米国だけでなく他国におけるコロナに対する指針が見えてくると思われます。

感染しても重症患者や死者数が増えないという英国の実験的な動きは各国が注目するところです。ただ、そうは言っても米国株はそれまで史上最高値圏で推移していたこともあり大きめの調整となりましたが、これが調整で済むのか、それとも中期的なトレンド転換となるのかを当面は見極めることとなるでしょう。

ドル円はせんん週安値を下抜けたことで当面は109円台半ばから後半にかけては上値が重くなりますし、ユーロ円も円高に引っ張られる動きから上値が重くなるでしょう。そうなるとユーロドルはドル売りとユーロ売りの双方が相殺して横方向の動きということになりそうです。

本日は円関連は引き続き戻り売り、ユーロドルはもみあいと見て、以下のレンジを示しておきます。
 ドル円  109.25〜109.70
 ユーロ  1.1775〜1.1820
 ユーロ円 128.90〜129.35



配信日:2021年7月20日