デイリーレポート(2021年7月12日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日の下げに対して週末前の買い戻しが終日続きました。朝方弱かった日経平均株価が前日高値を上回る動きとともにドル円も上昇を続け、NY昼前には110.26レベルまで買い戻され、そのまま高値圏での引けとなりました。

ユーロドルは欧州市場序盤まではドル円と同じくドル買いユーロ売りが先行していましたが、株高によるユーロ円の買いと前日から上昇に転じていたドイツ10年債利回りの上昇もユーロ買いの材料とされていました。ユーロドルはNY市場で前日高値を上抜け1.1881レベルまで上昇、ユーロ円も130.88レベルまで上昇し、それぞれ高値圏での引けとなりました。

ドル円は週初から続いていたドルじり安の流れが木曜には加速して109円台半ばまで水準を下げましたが、下がったところでは買いが出た中で金曜には週末前のポジション調整で一段高となりました。しかし木曜にドル円が下げる流れの中で110.40レベルの下抜けがテクニカルに売りを加速させた水準であることから、現状の戻りは同水準に限定されると見て良いでしょう。本日は110.35レベルをレジスタンスに、109.85レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロは前日にECBからの点検結果が発表されインフレ目標がこれまでの2%未満(近い水準)から2%(一時的なオーバーシュート容認)となり、この流れの中でドイツの10年債利回りは上昇しています。当面は緊急債券購入プログラムは継続されるものの、米国に遅れてどのタイミングでテーパリング(まずは緊急プログラムの停止)が議題となってくるのか、次回以降(秋以降か?)のECB理事会が注目されることとなるでしょう。本日はユーロドルは引き続き底堅い動きを考え1.1855〜1.1895、ユーロ円はもみあいとみて130.55〜131.05のレンジとします。



配信日:2021年7月12日