デイリーレポート(2019年8月19日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は盛り上がりに欠ける週末相場となりました。週を通して上も下も見た感はあるもののユーロドルの上値の重さに引っ張られて週末前の買い戻しが終日続いた印象です。いっぽうユーロドルは上値が重たい中、欧州市場序盤に前日安値を下抜け、NY市場の朝方には一時1.1066レベルの安値をつけました。しかし直後にドイツ紙が景気後退時には財政出動との記事にドイツの金利が上昇し、ユーロドルも反発、しかし上値の重さは変わらず引けにかけてはじり安の動きとなりました。

ドル円は金曜はじり高の動きとなったものの長期的な円高傾向には何ら変化はありません。ただ、先週下げたときの動きを見ていると105円の買いもしつこいため、当面は105円台前半の買いと106円台後半の売りに挟まれて方向感が出にくい状況が続きそうです。国内実需筋はお盆休みも明けて本日から始動、先週よりはオーダーの状況等の影響が出やすくなります。先週後半にドル買い戻しが強かったこともあって、週初寄り付きから上の水準はどちらかというと売りオーダーが出やすいでしょう。本日は106.50レベルをレジスタンスに106.00レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは、欧州景気の弱さがドイツの財政出動の話となり、ユーロ売りの流れの中での買い戻し要因となりました。これは財政赤字のルールを無くして国債を発行することとなり、ドイツ国債の供給増加が国債価格低下(利回り上昇)となる連想ですが、実際に欧州景気が今後も弱いとなるとまずは9月にECBの緩和が先行するはずですから、これだけを材料にユーロを買うほうが困難です。引き続き長期的なユーロ安トレンドは継続、その中で一時的なアヤとかんがるべきです。本日はユーロドルが1.1060〜1.1111、ユーロ円は117.60〜118.20とします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

週足チャートはこちら http://www.ascendant.jp/Weekly.pdf



配信日:2019年8月19日