デイリーレポート(2019年8月16日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は株式市場大引けまではほとんど動きが見られず様子見姿勢が強まっていましたが、15時35分頃に突然1円近い急上昇を示しました。ニュースがあったわけでもなく、大口のかいが出たら思いの外売りオーダーが少なく、ストップオーダーを巻き込んだ結果と考えられます。しかし、すぐに元の水準へと戻し、逆に106円台半ば以降でのドル売りを増やした結果となりました。海外市場に移ってからは106円を挟んで方向感が無い一日のまま引けました。

いっぽうユーロドルは、NY市場までは動きが鈍いながらもじり高の展開となっていましたが、フィンランド中銀総裁が9月のECB理事会で大規模な緩和を実施する必要があると発言したことをきっかけに急速に水準を切り下げ、NY昼前には一時1.1092レベルの安値をつけ、引けにかけては1.11台を回復してのクローズ。

ドル円は東京勢がお盆休みで動きが鈍かったということもあるのでしょうが、油断していたところに急速に持ち上げらる動きとなりました。ただ、107円台にはまだまだドル売りが残っていることもあってその後は急反落、106円台半ばよりも上では逆に売れていないポジションや、余計な買いポジションも出来てしまった印象です。こうした振れを考えなければ依然としてドル円は年初来安値に向かう流れに変化はありません。本日も戻り売り、106.30レベルをレジスタンスに105.70レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは9月理事会での緩和が現実的となったことからユーロ売りとなりましたが、FRBも利下げ、ECBも緩和拡大となれば、再び世界的な金融緩和競争へと逆戻りとなりそうです。改めて1.10台に入り込んできたことから、中期的にはユーロドルは年初来安値更新を視野に入れた展開となってきそうです。ユーロは戻り売り、ユーロドルが1.1065〜1.1115、ユーロ円は117.40〜118.05のレンジとします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf



配信日:2019年8月16日